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INTERVIEW

思いやりのスポーツ?日本の裏側に招待されたマイナースポーツ日本代表

前田麻衣
前田麻衣
SPORTS Cool!! 2018.02.14

日本の裏側に位置する国、ブラジル。

到着までに日本から最速でも約一日を要する遠い国、ブラジルで行われた「フレスコボール」というスポーツの世界大会に、大学を休学中のある日本人が招待されました。

 

スポーツ界で珍しい「思いやりのスポーツ」とされるブラジル生まれの「フレスコボール」。今回のHATSUはそのフレスコボールの世界大会に日本人として初めて招待されたプレイヤーのひとり、斉藤亮太さんにお話をお伺いしました。

 

日本初・ブラジルの世界大会に招待されたフレスコボールプレイヤー


女子ブラジルチャンピオンとの一枚(ブラジル世界大会にて)

 

打ち負かさない「思いやりのスポーツ」

日本が真冬を迎える準備がはじまるそのころ、日本の裏側のブラジルでは真夏を迎える。そんな灼熱のブラジルのビーチで行われた大会から帰国直後にお時間を頂きました。

稲沼:大会お疲れ様でした。日本とは比じゃない暑さでしたよね。。?(まっくろに日焼けした肌を見て)

斉藤さん(以下、斉藤):ありがとうございます。空港で外国人に間違われるくらい日焼けしました(笑)

稲沼:あらためて、日本ではまだ珍しい、フレスコボールとはどのような特徴があるのでしょうか?

斉藤:見た目はテニスのボレーボレー(ノーバウンドで打ち合う)ようなスポーツです。一番大きな特徴としては、他の球技とは違い「採点方式」であるポイントですね。相手を打ち負かすことはせず、いかに長く打ち続けるか、その中で技を入れていかに魅せるかが重要になるスポーツです。

稲沼:2人でどれだけ続くかを競うスポーツって珍しいですよね。少なくとも球技では聞いたことないです。

斉藤:そうですね。2人での協力し合うスポーツなので、フレスコボールは「思いやりのスポーツ」とも呼ばれてます。

稲沼:2人でやるスポーツだからこそ、カップルでやっても面白いですね!

斉藤:ぜひカップルでやってほしいです!フレスコボールという思いやりのスポーツだからこそ、カップルの仲の良さが垣間見えると思います(笑)


日本らしく、お辞儀からスタート。(ブラジル世界大会にて)

 

どこかの国の常識は日本の新常識

稲沼:発祥の国ということは、ブラジルでは馴染みのあるスポーツとして認知されているのでしょうか?

斉藤:はい、本当にそうでした。ビーチに行けば誰かしらやってますね。そもそも違ったのは、ビーチに専用コートが備え付けであるんです。ブラジルではコートがないビーチでも、波内際でやっている人達もみかけました。残念ながら今のところ日本だとそんなビーチはないんですが。。

稲沼:なるほど。。日本ではマイナーでもブラジルでフレスコボールは日常茶飯事という事ですね。

斉藤:そうですね、改めて日本の規模の小ささを感じました。

 

フレスコボールが日本では珍しい様に、逆に言えば日本では当たり前だけど、違う国ならそれが当たり前ではないことも。国が変われば珍しくないものが珍しくなる。もしかしたらその国の日常的なことが、ある国では新鮮で、革命的で、多くの人から受け入れられるものになるのかも?

対象の国を変えることはできないか?例えば言葉がなくても伝わるもので世界にアプローチできないか?


斉藤さん愛用のラケット。

 

稲沼:自分は斉藤さんを存じ上げたときに初めてフレスコボールを知ったのですが、斉藤さんご自身はフレスコボールとはどのようなきっかけで?
斉藤:じつは元々テニスを6年くらいやっていたんです。

稲沼:そうなんですね!ですがなぜフレスコボールを。。?

斉藤:はい、テニスを通してスポーツビジネスに興味があって。そんなときに、スポーツビジネスに関するセミナーをみつけたので行ってみたら、たまたま知り合った人がフレスコボール協会の方だったんです。
お話ししてみると、その方もテニス経験のある方だったんです。だったら僕もできるかなと思って、後日実際にやらせてもらったんです。

ビーチでやるフレスコボールならテニスと違って脚力のトレーニングできるしいい機会かなと思って気軽に始めました。なのでテニスを辞める気はさらさらなかったですね。

稲沼:なるほど。トレーニングとして始めたフレスコボールへ本格的に転向したきっかけは何かあったのでしょうか?

斉藤:テニスのトレーニングとして続けているうちに、大会に出ることになったんです。ビギナーの大会と聞いていたので、気負いなしにとりあえず出てみたら、優勝したんです(笑)

稲沼:すごい!なんというポテンシャル。。

斉藤:その時に初めて、自分のフレスコボールへの可能性を感じました。それと同時に「これはいけるのでは。。?」って思って(笑)ちょっとミーハーかもしれないんですが、テニスを極めるより、まだ競技人口の少ないフレスコボールなら日本一になれるんじゃないかなって。

 

テニスのトレーニングの一環としてやってみたフレスコボール。たった一回の大会のフレスコボールで自分の可能性を信じて転向をし、いまや日本代表プレイヤーに。マイナーでも極めれば頂点に立ちやすく、見える景色も変わる。マイナーだからこそ新しいものをつくりやすい?


現地では大歓迎ムードだったそう。(ブラジル世界大会にて)

 

日本にもっとフレスコボールを

斉藤:日本でのフレスコボールの歴史は言うまでもなくまだまだ浅くて、フレスコボール協会の理事が、別の仕事でブラジルに行ったときにフレスコボールを目撃して、面白いと思って日本に持って帰ってきてから4年くらいです。

稲沼:なるほど。本当にこれからということですね。今後斉藤さんのなかでフレスコボールへの貢献したいポイントはあるのでしょうか?

斉藤:実はぼく、フレスコボール界のなかで最年少なんです。日本だけでなく、本場のブラジルでも、大会に出ている人は30~40代の人が多くて。なのでもっと若い人たちにフレスコボールを知ってもらいたいんですよね。

稲沼:若年層が世界的に見ても少ないのは意外ですね。ビーチで行うスポーツだからこそ若い人にうけそうと感じていました。

斉藤:そうなんです。若い人が好きそうな要素はたくさんあるので、最年少である自分がどんどん発信していきたいです。いま実際に行っているのは、フレスコボールの体験レッスンを販売してみたり、ビーチという立地を生かして綺麗な写真と共にインスタグラムで発信しています。

それと、自分、錦織圭選手に似てるってよく言われるので、フレスコボール界の錦織圭と銘打ってます!それは国内でも人気アスリートである錦織圭さんのお名前をお借りして、自分とフレスコボールを少しでも多くの人に知ってもらいたいからです。

 

思いやりのスポーツであるフレスコボール。日本からはるか遠くのブラジルで生まれたこのスポーツですが、日本ならではのこの言葉「思いやり」という意味がこんなにもぴったりと当てはまるスポーツは他にないのではないでしょうか?

今後のフレスコボールの発展とフレスコボール界の錦織圭、斉藤さんのプレイにも注目です。

 

【詳細情報】

日本フレスコボール協会
HP:http://www.frescoball.org/

斉藤 亮太
Twitter:https://twitter.com/entertainer1014

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この記事を書いた人
前田麻衣
前田麻衣移動する同棲生活
フリーライター。 元旅行会社勤務。すきなものは旅はもちろん、映画とバウムクーヘンです。 ふだんは移動しながら同棲生活をしています。
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