ビールかけを身近な文化に。真逆な青春時代のふたりが目指す世界
「ビールかけ」を経験したことはありますか?
日本には「ビールかけ」という言葉がある。そしてこの言葉は人々に浸透しているが、まったくといっていいほど身近ではない。そんなビールかけを文化として定着させようと「日本ビールかけ協会」を立ち上げたふたりがいる。
学生時代まで友達は一人もいなかった、という内気さが今は微塵も感じられない衣装に身を包み、日本初の活動をしてらっしゃいます。
今回は「日本ビールかけ協会」の主催者であるファラ夫さんと小林さんにインタビュアー稲沼とライターの前田がお話をお伺いさせて頂きました。
当日はビールかけを行う際のユニフォームでお越しくださいました。(左:小林さん、右:ファラ夫さん)
ビールかけ?やったことなかったです
稲沼:きょうは宜しくお願いします。さっそくですがおふたりは元々お知り合いで?
ファラ夫さん(以下、ファラ夫):よろしくお願いします。いえ、オンラインサロンで知り合いました。
ビールかけってイベントがあったらおもしろいよねってやりとりをして、初めて会ったのはビールかけの日です。
稲沼:ビールかけをしようとするくらいなので、てっきりお知り合いかと思いましたが、驚きです!では経験はあったのでしょうか。
小林さん(以下、小林):ビールかけですか?ないです。
ファラ夫:全くの初心者でした。
初の「日本ビールかけ協会」を発足されたおふたり。HATSUをつくるためには経験がないことでも気負いなくやってみることが大前提。
なぜならHATSUこそ誰もが経験のないものであるからです。限られた人にしかできなかったのものを、身近に誰にでもできるサービスとして提供する。これはビールかけだけではなく、ほかのことにもあてはめられるのでは?
限られた人にしかできなかったのものを、身近に誰にでもできるサービスとして提供できないか?
次回のビールかけ開催に向けて話し合うおふたり。
たのしめるならそれでいい
稲沼:やったことがない人の方が多いと思うので、あらためて。ビールかけの良いところってなんでしょう?
ファラ夫:いい大人が子供みたいに純粋に楽しめる。純粋に。そしてビールなので、水遊びとは違う。大人の遊び。なのにやったことがない人が多数。これはビールかけを身近なものにしたいと思いました。
小林:ぼくは良いか悪いかは別として、飲み物を贅沢使いしてるところ。いけないことしてる感がある(笑)。
稲沼:ある意味で大人、ある意味で子供、ですね。
小林:そうですね、まさに。じつは「飲み物を無駄にしている」といった批判的なメッセージを頂きます。でもそれと同じくらい「楽しそう」といった肯定的な意見も頂けるので二極化してますね。
ぼくたちは「無駄にしてる」っていう感覚は無くて、飲み物だから必ずしも飲まなければいけないというルールはないと思うんです。消費の仕方ってそれぞれじゃないですか。それで楽しめるならいいと思います。
なにごとにも賛否両論はつきもの、それはHATSUに関してもいえることです。むしろ「無駄にしている」という否定的意見すら、小林さんはビールかけの「いけないことをしている感」という良いポイントとして受け止めていました。
日本ビールかけ協会専用のインスタボード
ぼく、内気でした。
稲沼:ビールかけ界の先駆者のおふたり。やはりもともと、はしゃぐことは好きだったんですか?
小林:ぼくはもともと学生のころからフェスとかが好きで。今思えばビールかけの素質はありましたね!
ファラ夫:ぼく、昔は内気でした。学生時代本当に友達も全然いなくて、ほとんど家にいました。いまはこんな格好ですけど(笑)。
稲沼:(なんというギャップ・・)内気な自分から脱却されたのはいつだったのですか?
ファラ夫:このままじゃいかん!と思って20歳くらいの時に思い切ってバンドをやってみたんです。人前に出て皆んなを楽しませることがすごく快感で、しっくり来たんですよね。
自分は根底では「人を楽しませたい」という想いに気が付きました。内気なくせに (笑) それがきっかけで少しずつ明るくなって友達も増えて、2年前に「もっと自分を知ってもらいたい」と思うようになって。
稲沼:なるほど。すてきです。そしてファラ夫になられたのですね。。!
ファラ夫:そうですね、知ってもらう時間が足りない時ってあるじゃないですか。それが悔しいので最初から手っ取り早く自分を知ってもらうためにこういう格好をしてます。
稲沼:インパクトがあって目立ちますよね。
ファラ夫:そうなんです。それからは話しかけてくれる人が結果的に増えて。でも目立ちたいだけではないので、そこから自分の内面を知ってもらおうと思ってますし、努力もしています。
真逆な生い立ちのおふたり。内気でも人見知りでも話すことが嫌いでも、「すきなこと」への熱量に性格は関係ないはず。自分の潜在的な気持ちに恐れず行動した結果、人間は変われるということを証明してくれているファラ夫さん。
そしてHATSUはビールかけのように、身近ではないが機会があればやってみたいという潜在的な気持ちがターゲットになっているのではないでしょうか。
顕在的な目に見えるものではなく、潜在的な願望や欲求をターゲットにできないか?
衣装にこだわりもあり、数あるファラ夫のコスプレのなかでもこれが一番しっくりくるそうです(笑)
まとめ
日本ビールかけ協会は、ビールかけを文化として定着させるべく活動をされています。ファラ夫さんと小林さんは今後、フェスでビールかけブースができたり、お祝い事に呼ばれるサービスも展開していきたい、と語ります。おふたりでビールかけの課題を話し合う光景からはとても眩しいものを感じました。
正直、「ファラ夫」「ビールかけ」この組み合わせを前にして、わたしは非常に身構えをしながらこのインタビューにのぞみました。ですがそれも、ファラ夫さんの「人を楽しませたい」という作戦勝ちのように思えます。
そしてこの記事を出そうとしているいま、ファラ夫さんと小林さん、そしてビールかけへの親しみでいっぱい。彼らの「人を楽しませたい」という想いがひしひしと感じさせられました。
ビールかけではしゃぐTVの中の大人たちを見て一度はやってみたいと思ったことはないでしょうか?今後のビールかけ協会の活動から目が離せません。
【詳細情報】
日本ビールかけ協会
HP:https://www.beer-splash.com/